伝統の美 甲州水晶貴石細工
伝統工芸品「甲州水晶貴石細工」の歴史は今から約千年前とされ、滝と渓谷の美しさで観光の名所となっている山梨県の御岳昇仙峡の奥地、金峰山周辺からの水晶原石発見から始まりました。実質的に水晶加工が始まったのは江戸時代の末期、天保年間に京都の玉作り職人を迎え鉄板の上に金剛砂をまいて玉の手磨き方を習得したことからといわれています。石を鎖状に彫る「遊環」技術や透かし彫りなど、その卓越した伝統の技術は今日まで受け継がれています。日本の風土と歴史の中で育まれた伝統工芸品「甲州水晶貴石細工」には、貴石の持つ自然の美しさと荘厳さに加えて、著名な伝統工芸士たちがまごころをこめて刻んだ美しさが調和しています。
ドイツ貴石彫刻品
500年余に渡る宝石の町としての歴史を誇っている、ドイツの小さな田舎町、イーダー・オーバーシュタイン。世界の宝石学の要であるドイツ宝石学教会、ダイアモンド宝石取引所がこの町にあることも、その歴史を象徴しています。17世紀から18世紀、フランス宮廷に端を発した宝飾品の流行がヨーロッパ全域に広がったことにより長年メノウ彫刻を手がけ、その技術を磨いてきたイーダーの宝石職人匠(マイスター)は脚光を浴びることになりました。宝石彫刻は小鳥や動物、花などが題材です。単なる宝飾品でも、彫像でもなく、人工の極致とも言える精微さを持ちながら、宝石・貴石の持つ自然の輝きがあります。素材は鉱物質なのにもかかわらず、そこには生命の感触が息づいています。
中国伝統工芸品
中国の彫刻の歴史は紀元前、中国の西域から大量のひすい(ネフライト)が発見されたことから始まります。以来二千年以上の間、中国の彫刻技術は伝え継がれ、東洋美術の最高傑作といわれる多くの美術彫刻品が作られました。